授業
地域・在宅看護論第7回
梶井 文子(東京慈恵会医科大学 教授)
認知症を生きる当事者の思い
近年の高齢者数の増加に伴い、健康な高齢者ばかりではなく、疾病や障害を持ちながら生活を続ける高齢者の数も増加している。特に認知症高齢者の数は2015年に345万人、2020年には410万人になるとの予測がなされている。さらに高齢者だけでなく、若年性認知症による社会へのインパクトも大きい。まさに「社会の病気」となっていることが認知症をとりまく現状であるが、認知症とは何か、という本質的な問いにはまだ到達できていない。発症前の予防から看取りまでの個人のライフヒストリーやそこに影響を及ぼす支援者や社会の在り方を、時系列的に理解し、歳をとるとなりやすくなる認知症になっても、認知症と共に生きるために必要なことを、先駆的な取り組みをしている実践家の言葉を知ることによって学習する。