授業
福祉心理学第3回
下川 昭夫(東京都立大学教授)
家庭教育と家族の変容
家族は子どもが生まれると同時に所属する集団であり、子どもの発達にとっても最も基礎的かつ重要な集団である。子どもが家族集団のなかで習得した価値・規範や思考・行動様式は、その後の子どもの発達を大きく規定し、方向づけていく。家族は子どものベースを形成し、一定の方向に向けていくのである。この講義では、家庭教育を家族集団のなかでの子どもの発達に関わる事象としてとらえ、現代社会の子どもの発達過程およびその過程に関わる諸問題-親の問題、家族集団の問題、社会の問題-を取り上げて、実証的に考えていく。