授業
学校と法第6回
坂田 仰(日本女子大学教授)
ユングのとらえた自我と無意識の相補的関係
フロイト(Freud、 S.)に始まる精神分析と、ユング(Jung、 C. G.)に始まる分析心理学は、分析者と、症状をかかえる被分析者との定期的な面接において生じる治療的な心的変化過程に関する知見をもとに構築された理論体系である。これらの理論は、心理臨床実践の基礎となる知識であり、今日においてもその体系に新たな知見が加えられ発展を続けている。本講義では、精神分析とユングの分析心理学が持つ「人間の心の深層に関する知」の側面と「心理療法学」の側面の両者を視野に入れながら、その基本を理解することを試みたい。