授業
現代国際社会と有機農業第11回
受田 宏之(東京大学教授)
家族と住居
家族は、人が生まれ育ち、生まれ育った人によって再生産される、社会の基本単位である。それゆえ、家族を形成・解消・維持・保護・支援するために多数の社会制度が用意されている。そして、それらの制度のほとんどは、法律に根拠を置く法制度である。人生100年時代といわれる現在のわが国では、高齢化と少子化が法制度に多大なインパクトを与え続けている。また、グローバル化の進展は、法制度についても国際標準・国際協調を要求している。これらの潮流を受け、近時、わが国の家族に関わる法制度=〈家族と法〉は、不断の更新を迫られている状況にある。この講義では、〈家族と法〉の中でも、最も基本的な法制度である民法の第4編親族と第5編相続を中心に、労働、社会保障、税、司法(裁判)など、家族や家族の生活を取り巻く多種多様な法制度の基礎について学ぶ。