授業
ヨーロッパ政治史第3回
中山 洋平(東京大学教授)
なぜアジアなのか
アジアは歴史的にも新興国の勃興し続ける地域である。20世紀には、高度経済成長期の日本に加え、新たに独立した新興経済地域に注目が集まった。冷戦後、アジア諸国は所得向上と政治的安定を実現し、国境を越えた経済連携も深まってきた。そして、中国の台頭は政治と経済の両面でグローバルな影響を与えつつある。2010年代以降、アジアは格差拡大、米中対立、SDGsといった新たな課題に直面している。歴史的経緯をふまえたうえで、各国の構造変化と、地域横断的な共通課題を学び、最後に日本がこの地域で果たしうる役割を考える。