授業
新興アジアの政治と経済第11回
高木 佑輔(政策研究大学院大学准教授)
戦争への道―1930・40年代の日本経済と東アジア
日本経済の歴史に関する書物の多くは、現代日本に至る経済発展を、明治維新による体制変革を起点とした、欧米先進諸国へのキャッチアップの過程として語ってきた。しかし現代日本の長期経済停滞は、欧米水準の達成を終着点とするキャッチアップ論の視野の限界を露わにしたように思われる。この授業では、日本経済の歩みが、比較史的にみてどのような特徴を有するものであったのかを、近年の経済史研究の成果を踏まえつつ、近世以来の400年の時間軸の中で考えていきたい。