授業
新興アジアの政治と経済第8回
高木 佑輔(政策研究大学院大学准教授)
バブル崩壊後の日本の金融システム
1980年代後半のバブル経済から1990年代にかけて、銀行を中心とした日本の金融システムは大混乱に陥った。不良債権問題、銀行倒産、金融危機、そして情報技術の急速な進歩により、金融の仕組みに大変革が求められた。また、それらに対応するため、当局による規制監督にも大幅な見直しが求められた。バブル後の混乱から日本経済が立ち直りかけたとき、2008年にはリーマンショックが起きた。サブプライムローン問題という、新しい金融技術を駆使した仕組みが、金融市場にとどまらず、経済社会全体の危機につながっていったのである。この講義では、重要性を増している金融の仕組みを学び、それが私たちの経済社会に与える影響を幅広い観点から考える。