授業
原典で読む日本の思想第13回
頼住 光子(駒澤大学教授)
西田幾多郎とハイデッガーは、激動の20世紀を代表する世界的哲学者である。彼らはそれぞれ、東洋と西洋の精神的伝統に深く根差す一方、現実世界の動きを受け止めて独自な思索を展開した。両者が生前直接に交わることはなかったが、それぞれが独立に、かつ同時代的に展開した思索には、様々な興味深い重なりが認められる。本講義では、双方の哲学を突き合わせ、各思想の独自な内実とその継承的発展の立場を考察し、それら全体の現代的意義と可能性を検討したい。