授業
原典で読む日本の思想第11回
頼住 光子(駒澤大学教授)
本質主義の陥穽:フィールドワークと民族誌の功罪
グローバル化が進展した今日の世界では、「人新世」という概念に象徴されているように、人類と地球の活動がもつれ合っていることが明らかになり、人類は地球規模に拡張した自らの活動を地球環境との関係の中で考える必要に迫られている。こうした現状にあって、人類の過去と現在の普遍性と多様性を考えることを通して、その未来を切り拓こうとする文化人類学の重要性が高まっている。それでは、今日の文化人類学はどのように調査・研究を実践しているのだろうか。この講義では、講師たち自身の経験に基づいて、文化人類学を基礎づけているフィールドワークと民族誌の現状を具体的に紹介する。