授業
総合人類学としてのヒト学第11回
深山 直子(東京都立大学准教授)
論評する清少納言
『枕草子』には、清少納言の人間観や美意識が明快に表現されている。 有名章段以外にも、数多くの章段を取り上げて、原文をわかりやすく解説し、『枕草子』の全体像を提示したい。また、現代的な新たな観点から『枕草子』を始発とする批評文学の展開にも着目し、『枕草子』の文学的な達成と影響力を把握する。『枕草子』の本文は、江戸時代以来、近現代まで最も広く読まれてきた、北村季吟の『枕草子春曙抄』による。『枕草子』という一つの作品を通して、古典から近代までのさまざまな文学作品のつながりにも触れる。