生涯
第九を楽しむ 放送大学・ベートーヴェン交響曲第九演奏会~東京藝術大学奏楽堂~
山本 純ノ介(千葉大学教授・作曲家)
250年ぶりに発見された芭蕉自筆の『おくのほそ道』を読み解くと、成立過程と連句の形式をとった全体構成が明らかになる。陸奥から出羽・日本海側を巡る150日450里の旅から4年も経って『おくのほそ道』を書き始め、自筆で清書してから半年推敲してようやく完成させた。「不易流行」を着想したと思われる出羽三山を実際に歩いてみて、50韻形式を踏まえた5部構成を解明すると、『おくのほそ道』の思想と古典を作り上げようとした芭蕉の思いが浮かび上がる。