授業
地域産業の発展と主体形成第8回
中村 貴子(京都府立大学大学院准教授)
協力の多様性問題と「組織立った複雑性」
この科目は、社会における人びとの「社会的協力」とは何かについての原理的考え、現実における近代的協力の限界という現実を認識し、近代的協力を乗り超える方法を考察することを目指している。近代になって、社会的協力の在り方が大転換したといわれている。それは、第1に市場モデルや政府モデルなどの近代的協力の在り方について、これだけ広範囲にわたり、かつ深く浸透した理由が存在するからであり、また同時に、第2にこれらの社会的な協力の在り方が、近代になってしばしば限界を見せるようになりつつあるからである。なぜ今日の社会的協力が大規模に生成し、そして限界を見せるようになったのか、そしていかに近代的協力の限界を乗り超えるのかについて、この講義のなかで、具体的な事例を見ながら理解を深めていく。