授業
日本の文化と教育第13回
辻 智子(北海道大学教授)
体罰の過去と現在
現代の生徒指導は、その対象が広範囲に及ぶ。かつて不良、非行等の問題行動への対応を中心とした生徒指導は、近年はいじめや不登校問題が中心的問題となり、対象とする問題の範囲はひろがりつつある。そのため、生徒指導の意義や方法も変化を迫られている。教育相談という領域を含み、専門職との連携においても様々な取り組みが展開している。ICTを活用した教育の展開、家族関係の変化、多様化する子どもたちの状況等を背景とした現代の生徒指導上の諸問題を整理し、コロナ禍の中で幕を開けた2020年代の生徒指導を展望するための視点を考える。