授業
日本文学と和歌第12回
渡部 泰明(国文学研究資料館館長)
現代産業社会と環境倫理学の問題―地球の生命史からの見直し
「何ゆえに、われわれは、今、ここに、このように生きているのか?」を根本の問いとして、主な「根源思想」を振り返った後、西洋哲学を考える。近代文明を問い直すアメリカ先住民の思想、そして日本の思想を考える。19世紀末からニヒリズムが問題になり、実存を問題にする現代哲学が成立した。日本では別の思想も展開した。現代になると産業が科学技術と結びついて自然の大改変をする中で地球環境問題が生じている。医療技術の進歩により人間の生と死について人為的な操作も可能になった。こうした今、改めて哲学・思想を、広い視野から根本的に考え直す必要がある。(内容をかなり改訂しています。)