生涯
気仙沼 ESD の軌跡:持続可能な社会の創造をめざして
及川 幸彦(東京大学海洋アライアンス海洋教育促進研究センター特任研究員[主幹研究員])
この講義では、言葉を介してあまりにも多くを語られてきた夏目漱石という作家に、「編集」という視点を導入することにより、新鮮な漱石の姿を浮かび上がらせるすことを試みます。 文学を読むということと編集するということが、いかに密接につながっているかを明らかにし、「書くこと」と「編むこと」についての関係を、「編集者子規」「朝日新聞の時代」の2回に分けて考察します。 1 編集者子規 漱石にとって正岡子規は重要な存在でした。 子規は若い頃から編集について天才的な感覚を持っていました。漱石は子規との出会いによって書くことと、表現することが、編集するという行為でもあることについて知らされます。 彼の英国留学のエピソードなどを紹介しながら、編集に目覚めた漱石について考えます。 2 朝日新聞の時代 なぜ漱石は東京帝国大学の職を辞し、朝日新聞の専属となり新聞小説を書き始めたのでしょうか。 また、なぜ漱石の作品の文体は多様なのでしょうか。 書くことを通して読者を絶えず念頭に置いていた漱石、彼と読み手、若い弟子たちなどとの関係を読み解きながら、彼の晩年がいかに編集者的であったかを検証します。