授業
異文化との出会い第8回
大橋 理枝(放送大学教授)
『枕草子』と『方丈記』の研究史
本科目は、日本文学を研究しようとする学生を、主たる対象として、ある作品がどのように研究されてきたかを通史的に解説する。文学研究の始発は、国文学の場合、まず、平安時代の『古今和歌集』『伊勢物語』『源氏物語』を中心とする注釈研究であった。これらの作品よりも成立が早かった『古事記』や『万葉集』の研究は、ようやく江戸時代になって本格化した。したがって、研究史を学ぶことは、まず注釈研究史を学ぶことであり、本科目の構成も、その点に注意を喚起するように組み立ててある。作品により、研究の視点や力点がさまざまに異なるので、文学研究の多様性に触れてほしい。